よしなし草

  あらすじ

 

この時代、狐は聖なるけものとして、独自の社会を形成していた。みずからの体を変化させる事も出来る技や、神秘的な能力をもち、人間の世界と微妙に関わり合いながら生活していたが、いろいろな情勢の移ろいがあり、特殊性や組織が揺らいできていた。

白狐の加笹妓は放浪していたが、葛葉姫と名乗る総領姫の狐に、友達になってくれと頼まれる。過去を引きずっている加笹妓は屈折しているところがあり、葛葉との出会いは素直になれなかったが、しだいに館の生活に馴染んでいき、すこしずつ心を開いて行く。そんな時に安達国の領主の殿が館のそばに狩りに訪れ、その事をなんとか利用しようとする葛葉と一夜の契りを結ぶ。ところが、加笹妓も殿に恋をしてしまい、その行き場のない思いのために、自分を責めながら姫から離れる。

その後、寝泊りしていた神社の宮司の勧めで、加笹妓は巫女の格好をして、祈祷手伝いするなど、それなりに日々は過ぎていった。そんなおり、葛葉姫が、男児を出産したという話を、館の女中から聞く。ある日、綾の局という安達城の奥で仕える者が、葛葉の失脚と死を願いに祈願に訪れ、加笹妓はいても立ってもいられず、葛葉のもとに戻るが、すでに安達城に発った後だった。

そば使いの狐とともに、必死に後を追い、守りに行き、加笹妓は綾の局と対決する。しかし、鬼から力を伝授した強い綾の局を破ることが出来ず……

 本文 (上)

 

 

 本文 (下)

 

 






イラスト 廣瀬希恵